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新しい種類の性病?「スーパー淋病」とは

近年、若い世代を中心に性病に感染する事例が増加していると言われています。
性病自体は、昔から日本では存在していました。
花柳界、今風に言えば風俗でしょうか、そういう場所で感染することが知られていたので花柳病等と呼ばれていました。
性病にも色々な種類がありますが、その中でも近年問題となっているのがスーパー淋病です。

スーパー淋病は淋病と同じく淋菌に感染することによって引き起こされます。
淋病自体は他の性病と同じく昔から存在しており、珍しいものでもなく治療方法も既に確立していました。
ペニシリンなどの抗生物質、抗菌剤が登場したことにより、他の多くの病気と同じように治療可能となったのです。
ところがその後年月を経ると、この抗生物質や抗菌剤が効かない菌が見つかるようになりました。
耐性菌と呼ばれているもので、淋菌に限らず、緑膿菌等様々な菌で耐性菌が見つかっています。

人類は耐性菌が登場する度に新しい抗生物質・抗菌剤を見つけ出し、治療の現場に投入しました。
そして、それらに耐え抜いてしまった菌が時折現れます。
それが複数の抗生物質の効かない耐性菌(多剤耐性)となって問題となっているのです。

スーパー淋病もあの有名な多剤耐性緑膿菌も耐性獲得の経緯は似たようなものです。
抗生物質や抗菌剤の乱用がこの様な多剤耐性菌を生み出していると言われています。
スーパー淋病は未知の新しい種類の病気ではなく、既知で対策も確立されていた淋病が治り難い守備力強化型の淋病となって再度人類に立ちふさがったものと理解するのが良いでしょう。

ただし、症状の内容などは、普通の淋病と同じですので感染したからと言って直ちに命の危険があるわけではありません。
ただの淋病かスーパー淋病かは感染した段階ではわかりません。
治療を開始して初めて明らかになることです。
また、現在のところ、全ての薬剤に対する耐性を獲得した淋菌は確認されておらず、治療に当たっては何かしら効果のある薬が選び出され、これを用いて治療されています。

スーパー淋病の治療方法とは?

スーパー淋病の治療方法は基本的に普通の淋病と同じく投薬治療です。
ただし、様々なお薬に対して耐性を持った菌が相手となっているので、治療にも様々な薬を用います。
そして、感染している菌をやっつける薬が見つかるまで試し続けます。

今のところ、経口薬の他、注射薬のセフトリアキソンなどが有望だとされていますが、セフトリアキソンに対する耐性を持つ淋菌もすでに見つかっています。
なお、スーパー淋菌とまでは行かなくとも、ペニシリン系には90%以上、テトラサイクリン系やニューキロノン系にはそれぞれ70-80%の淋菌が耐性を獲得しているとされています。
淋菌に感染していることが明らかになった場合、医師は沢山の種類の薬の中から一番有望そうなものを選択して投与します。

どのお薬を最初に処方するかは、時代や国や地域によって異なります。
国や地域によってどの薬に対して耐性を持っているかは異なるからです。
処方された薬を定められた期間きっちりと服用して、効果を確認します。
もし効果が無ければ、感染している淋菌はこの薬に対して耐性があるので、別の薬を処方します。
そして以後、効果のある薬が見つかるまで延々と繰り返します。

ある程度、地域によって同じような傾向があれば、周辺での治療例を参考に処方する薬を決めることもあります。
だいぶ前に耐性菌が出現し、それ以降使われなくなった抗生物質や抗生剤が再び効果を発揮することもあります。
これは、長期間使用されなかったので、淋菌側が使用されなくなった抗生物質や抗生剤に対する耐性を失ってしまうことがあるからです。
そのため、あえて耐性菌の出現によって数十年前に使われなくなった抗生物質や抗生剤を治療に用いることもあります。